立体裁断とはpart.4

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 前述したように、西洋では、立体裁断と平面裁断をくり返しながら服の形と作り方を進歩させてきた歴史があります。日本にはない…。そこに、新技術としてドレーピングが入り込み、平面裁断を古いものとしてしまった。このような経緯が進歩への努力を妨げているのではないかと思えます。


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 アメリカでは、ドレーピングされた原型を平面で展開するパターンメーキングと呼ばれる手法が広く行われています。その方が、はじめからドレーピングするよりも、スキルによる差が少なく、品質の安定という見地から合理的だからです。

 まずは、立体裁断と平面裁断を対極的に区別することなく、「立体裁断とはドレーピングもしくはパターンメーキングによって実現される立体的な服作りである」と定義して、合理化への第一歩といたしましょう




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 このような平面裁断法は、日本の経済力が先進国に追いつき既製服の時代になると通用しなくなり、アパレルの現場では勢いドレーピングが主流となりました。そして、立体裁断といえばドレーピングというようになったわけです。

 
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